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NAMIKO

ばぁ〜ちゃ〜ん、まだ終わらんが〜??

昔、あきちゃんに習字を教えていました。その傍ら、味噌づくりのお手伝いもさせてもらっていて、あきちゃんのおばあちゃんと一緒にしばらくの間、作業をしていました。

この子は小さい時「ばぁ〜ちゃん、ばぁ〜ちゃん、まだ終わらんが〜?」とよく言ってました。小学生ぐらいかな、歌がとっても得意な子だったから「あきちゃ〜ん、歌上手やったね〜」って声をかけると一生懸命歌を唄って、仕込み作業が終わるのを待っていました。それをすごくよく覚えています。夕焼け小焼けを真っ赤な顔で唄ってました。

小さい頃から、優しくて素直で真面目な良い子。それはいまも変わらなく可愛い。だからいつも「あきちゃ〜ん、あきちゃ〜ん」って、今でも呼んでしまってるのよ。誰もそんな呼び方はしていないのに、私だけごめんなさいね、笑。

あとは「ばぁ〜ちゃん、腹いてぇ〜」とよく言ってた。その時はいつも「の」の字を 20回お腹に書け〜と言って。それも素直〜に 20回書いて終わると「治った、治った〜」って。それをやるといつもあきちゃんはお腹痛いのが治っていました。今でもそのおまじないは効果絶大のよう、笑。

寒の水で仕込む、昔ながらの寒味噌

あきちゃんが22歳で味噌屋を継ぐと決めた時、頑張り屋だから途中でやめてしまうとかは無いなと思いました。真面目で良い子で、親に反発するようなことも無かったから。あきちゃんのばぁちゃんも感心してました。

それに、こんなに長続きして立派。色々と研究を続けて「この味噌じゃなきゃ食べられん」って人が沢山いるもんね〜。きっと、あきちゃんはこういう ”モノづくり” が好きなんだと思います。だから、賛成だったし応援してあげたいな〜という気持ちでした。ばあちゃんと私とあきちゃんと 3人で 5年くらいは、冬場だけ一緒に作業しました。寒い時期に仕込んだ味噌が欲しいと言われていたので。

昔から “寒九(かんく)” という言葉があって、寒に入ってから九日目の水を汲んで溜めておく。“寒九の水は一年で一番澄んでいて、腐らない” と言われていて、その水を使って仕込むと美味しい味噌が出来上がるんです。

この水をコップに汲んでラップして、神棚にお供えもする。その水は一年中濁ることなく、ずっと綺麗。そうしてお供えすることで火事だったりから家を守ってくれる、という風習が昔からあるんです。

今度は一緒に、水芭蕉を咲かせよう

あきちゃんが頑張っている姿を見て、私ももう92歳だけど出かけていって掃除でも手伝ってあげたいな〜って思っています。あとは、水芭蕉を育てたい!

昔から BOBO. がある場所は、水芭蕉が綺麗で。時期になると新聞に大きく取り上げられて、タクシーで沢山の人が見に来ていた場所なんです。水芭蕉を育てなくてどうするんだ〜って思ってる、笑。今もたまに見に行くと、草が沢山生えている間にポツポツとちゃんと水芭蕉が咲いている。あの景色をまたつくりたいです。

何の用事があるわけでもなく、あきちゃんは私のところにたまにふら〜っと来て、こうやって水芭蕉の話をしたり何気ない会話をするんです。お年寄りの話もちゃんと真剣に聞いてくれて、次に活かしてくれる。なので、そうやってふら〜っと来た時に、健康や商売繁盛を願った手づくりのお守りも毎年渡してます。

私があきちゃんに言うことは何もないけれど、いくら色々やると言っても健康あってのことだから、とにかく毎日甘酒を飲んで元気でいてほしい。私も甘酒、大好きなんです。ばぁちゃんは昔、私が好きで甘酒を飲むからわざわざ仕込んでくれていたくらい。あきちゃん、身体に気をつけて、頑張って。

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